紀三井寺の魅力と観光ガイド|御朱印・ケーブルカー・駐車場情報も

紀三井寺(きみいでら)は、和歌山市にある真言宗の寺院で、西国三十三所観音霊場の第二番札所として知られています。
歴史のある寺院であり、桜の名所としても有名です。日本さくら名所100選にも選ばれています。春になると境内には約500本の桜が咲き誇り、多くの観光客が訪れます。
また、紀三井寺は「厄除け・開運」のご利益があるとして信仰されており、年間を通じて多くの参拝客が訪れます。
本尊の十一面観世音菩薩は、観音信仰の中心的な仏であり、特に災難除けや商売繁盛、家内安全のご利益があるとされています。
さらに、紀三井寺はその立地も魅力のひとつです。標高約80mの山の中腹に位置し、231段の石段を上ると、和歌山市街や和歌浦湾を一望できる絶景が広がります。
しかし、階段を上るのが難しい方のために、ケーブルカーが設置されており、誰でも気軽に本堂まで行けるようになっています。
本記事では、紀三井寺の歴史や見どころ、御朱印、ケーブルカー、駐車場情報などを詳しく解説し、訪れる際に役立つ情報を提供します。
紀三井寺とは?基本情報と歴史
紀三井寺の歴史は平安時代まだ遡ります。まずは紀三井寺の所以や歴史について解説していきます。

基本情報 | |
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名称 | 紀三井寺(きみいでら) |
住所 | 和歌山県 和歌山市 紀三井寺1201 |
建立 | 宝亀元年(770年)※伝承 |
電話番号 | 073-444-1002 |
拝観時間 | 本堂受付:8:00〜17:00 仏殿3階展望楼:8:30〜16:30 ケーブルカー運行時間:8:30〜16:30 |
ご祈祷 | 9:00, 10:00, 11:00, 14:00, 15:00 (各回15分前までに受付) |
最寄駅 | JRきのくに線「紀三井寺駅」 (徒歩約10分) |
公式HP | https://www.kimiidera.com/ |
紀三井寺の読み方と名前の由来
紀三井寺は「きみいでら」と読みます。この名前の由来は、境内に湧く三つの霊泉(吉祥水・清浄水・楊柳水)にちなんでいます。3つ霊泉を合わせて「三井水(さんせいすい)」といい、環境庁より日本名水百選に選ばれております。
- 吉祥水(きっしょうすい):飲むと長寿や健康運が向上するといわれる霊水
- 清浄水(しょうじょうすい):心身を清め、悪運を遠ざけるとされる清らかな水
- 楊柳水(ようりゅうすい):病気平癒や安産のご利益があると伝えられる水

これらの水は、創建以来一度も枯れたことがないとされ、訪れる人々の信仰を集めています。寺院の境内には、この三井の水を汲める場所があります。
紀三井寺の歴史と創建の背景
紀三井寺の創建は、今から約1250年前の770年(宝亀元年)に遡ります。
- 創建者:唐から渡来した為光上人(いこうしょうにん)
- 本尊:十一面観音菩薩(国の重要文化財)
- 信仰の対象:観音菩薩は「慈悲の仏」とされ、特に厄除けや開運のご利益がある
寺伝によると、為光上人が紀州の山中で修行していた際、霊木を発見し、その木から十一面観音像を彫刻したことが紀三井寺の始まりとされています。
この十一面観音菩薩像は「秘仏」とされ、普段は拝観できませんが、50年に一度だけ御開帳が行われます。
また、紀三井寺は戦国時代にも重要な歴史の舞台となりました。豊臣秀吉が紀州攻めを行った際、紀三井寺はその戦略拠点として利用されました。その後、徳川家康の時代には寺領が与えられ、保護されるようになりました。
江戸時代には庶民の信仰を集める観音霊場としてさらに発展し、西国三十三所巡礼の第二番札所としての地位を確立しました。
紀三井寺のご利益と信仰の対象
紀三井寺には、以下のような4つのご利益があります。
ご利益 | 由来・詳細 |
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厄除け・開運 | 本尊の十一面観音は災厄を取り除く仏 |
縁結び・安産 | 観音菩薩の慈悲の力による良縁成就 |
商売繁盛・家内安全 | 参拝者が多く、商売繁盛のご利益も期待される |
病気平癒 | 霊水「三井の水」が病気平癒に効果があると伝えられる |
特に厄年の参拝者が多く訪れることでも知られています。
紀三井寺では厄除けの祈祷を受けることもでき、毎年正月には厄除け祈願に訪れる人々で賑わいます。
紀三井寺の見どころと楽しみ方
紀三井寺には多くの重要文化財が宝蔵されていたり、また和歌にも歌われるほど古くから景観に優れた場所でもあります。

本堂と境内の見どころ
紀三井寺の境内には、歴史的価値のある建築物や美しい庭園が点在しています。その中でも特に注目したいスポットを紹介します。
本堂(観音堂)

紀三井寺の本堂は、標高80mの山の中腹にあり、231段の急な石段を上った先にあります。本堂の中には、本尊の十一面観音菩薩が安置されており、厄除け・開運のご利益があるとされています。
本堂の周囲には、「なで仏」と呼ばれる仏像があり、自分の身体の悪い部分と同じ場所を撫でると回復するといわれています。
大門(重要文化財)

紀三井寺の境内に入ると、まず目に入るのが大門(仁王門)です。この門は江戸時代に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。大門には二体の金剛力士像が安置されており、寺を守護する役割を担っています。

門の前の閻魔大王像も迫力がありますね。
多宝塔(重要文化財)

本堂の近くには、鮮やかな朱色が美しい多宝塔があります。これは室町時代に建造されたもので、全国でも貴重な建築物の一つです。多宝塔は仏教の宇宙観を表す建築様式で、下層が方形、上層が円形の二重構造になっています。
大千手十一面観世音菩薩像(日本最大の木造立像)

紀三井寺の仏殿に安置されている大千手十一面観世音菩薩像は、日本一の大きさを誇る観音像です。像高は11メートルを超え、京都の大仏師・松本明慶師が渾身の技を込めて製作しました。本造総漆金箔張りで、その圧倒的な大きさは訪れる人々に強い印象を与えます

また楼閣は上まで登ることができます。そこから見える和歌浦、和歌山市街の景色は圧巻です。和歌山城見えますよ。
紀三井寺の桜|見頃と桜まつりの時期
紀三井寺は「日本さくら名所100選」に選ばれており、桜の美しさでも有名な寺院です。特に、関西で最も早く桜が咲くスポットの一つとして知られ、毎年春には多くの花見客が訪れます。

桜の特徴
紀三井寺には約500本の桜が植えられており、境内をピンク色に染め上げる光景は圧巻です。
- 見頃:例年3月中旬~4月上旬
- 本数:約500本
- 主な桜の種類:ソメイヨシノ、ヤマザクラ、シダレザクラなど
- イベント :「紀三井寺桜まつり」
- 夜桜ライトアップ:夕方から夜にかけて開催
また、紀三井寺には和歌山県の開花の基準となる「標本木」があります。

桜の見どころ

- 石段の両脇に咲く桜
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紀三井寺の象徴ともいえる231段の石段の両脇には、美しい桜が並び、春にはまるで桜のトンネルのような風景が広がります。特に階段を登りきった場所からの眺めは絶景です。
- 本堂周辺の桜と和歌山市街の風景
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桜の時期に本堂から和歌山市街を見下ろすと、街全体が春色に染まっているかのような光景が広がります。
- 多宝塔と桜のコントラスト
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鮮やかな朱色の多宝塔と満開の桜の組み合わせは、紀三井寺ならではの絶景ポイントです。
紀三井寺桜まつり
紀三井寺では、桜の見頃に合わせて「紀三井寺桜まつり」が開催されます。この期間中は、夜桜のライトアップが行われ、日中とはまた違った幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
開催日の目安は、3月下旬から約1か月(2024年は3月20日~4月20日)です。
紀三井寺の階段・ケーブルカーやエレベーターについて
紀三井寺は標高約230mの名草山の中腹約80mのところにあり、参拝するにも一苦労。普通なら階段を登って行きますが、現在はケーブルカーと有料駐車場から利用できるエレベーターがあります。
紀三井寺の階段とその段数
紀三井寺の本堂へ行くには、231段の急な石段を上る必要があります。

この石段は「結縁厄除の坂」と呼ばれています。
若き日の紀伊國屋文左衛門が結婚と出世の契機となった出会いがあった坂と伝えられています。
また、25段、33段、42段、61段と厄年を踏み越える石段となっています。

ちなみにこの石段を登った最速記録は、元200m日本記録保持者の青戸慎司さんの21.3秒とのことです(足元の悪い階段なので無謀な挑戦はやめましょう)。
登った先には、和歌浦、片男波(かたおなみ)の万葉集にもうたわれた風景が目の前に広がります。

高齢の方や体力に自信のない方にとっては、この急な階段は大きな負担になります。そこで、2020年にはケーブルカーが設置されました。
ケーブルカーの料金・時間・乗り場情報

紀三井寺のケーブルカーは、西国三十三所観音霊場で唯一のケーブルカーです。小さなお子様連れや足が悪かったり、体力がなくても、階段を登らずに楽に本堂まで行くことができます。
運行時間 | 9:00~17:00(最終便16:45) |
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料金 | 大人:片道600円 / 往復800円 小人:片道300円 / 往復400円 |
所要時間 | 約1分 |
乗り場 | 大門横 |
ケーブルカーはバリアフリー対応となっており、車椅子やベビーカーも利用可能です。
ケーブルカーは無人で運行します。昇降はエレベーターのような感覚で、定時運行ではなく、扉を閉めれば自動で運転します。

注意点は、ケーブルカーでは一番上まであと一つというところまでしか行けません。ただ、そこからは階段の他にスロープもありますのでご安心ください。
エレベーターの有無とバリアフリー対応
紀三井寺の有料駐車場にエレベーターが設置されています。
駐車場は地上から紀三井寺に登る途中にあるので、電車で訪れた方には利用しづらいところにあります。その場合はケーブルカーを利用することで本堂までスムーズに移動できます。
また、境内にはスロープや手すりが設けられており、高齢者や足腰の弱い方にも配慮された設計になっています。
紀三井寺の御朱印とお守り情報

紀三井寺の御朱印の種類と料金
紀三井寺でいただける御朱印には何種類かあります。以下はその例です。
- 西国三十三所観音霊場(第二番札所): 300円
- 特別御朱印(桜や節分などの期間限定) :500円
- 記念御朱印(イベント・祭り限定) :500円
御朱印をもらえる場所と受付時間
御朱印は本堂近くの納経所でいただけます。
- 受付時間:8:00~17:00
- 場所:本堂横の納経所
紀三井寺のアクセスと駐車場情報
電車・バスでのアクセス方法
紀三井寺は、和歌山市の中心部から比較的アクセスしやすい立地にあります。
- 電車・バスでのアクセス
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- JR和歌山駅→きのくに線「紀三井寺駅」(約6分)から徒歩約10分
- 和歌山バス「紀三井寺」バス停下車 徒歩10分
- 車でのアクセス
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- 阪和自動車道「和歌山南IC」から約10分
- 阪和自動車道「海南IC」または「海南東IC」から約15分
紀三井寺の駐車場|料金・無料駐車場の有無
紀三井寺には専用駐車場がありますが、新年の初詣や桜の時期や休日は非常に混雑します。また、上記の混雑時は常設のコインパーキングの他にも、臨時駐車場も増えます。
- 北門前駐車場:300円
- 山上駐車場:700円
- 周辺のコインパーキング: 1日300円~600円(30分100円〜)程度
- 無料駐車場 なし
駐車場は平日は比較的空いていますが、桜の時期や週末は満車になりやすいため、公共交通機関の利用がおすすめです。
紀三井寺観光の所要時間と周辺ランチ情報

紀三井寺は、観光や参拝の目的に応じて、滞在時間が変わります。ここでは、観光の所要時間の目安と、周辺のおすすめランチスポットについて詳しく紹介します。
参拝・観光に必要な所要時間の目安
紀三井寺を訪れる際、どの程度の時間を確保すればよいのかは、目的や観光スタイルによって異なります。
- 通常の参拝:約30分~1時間 本堂まで行き、お参りをするだけの場合
- ゆっくり観光:約1時間30分~2時間 本堂だけでなく、境内の見どころも巡る場合
- 桜の時期の観光:約2時間~3時間 桜の写真撮影や散策も含める場合
- 御朱印巡り&買い物:約2時間 御朱印をいただき、お守りやお土産を購入する場合
周辺の軽食・ランチスポット
カフェ
- 天空かふぇ
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紀三井寺の境内にある「天空かふぇ」は、絶景を楽しめる人気のスポットです。正面石段を上りきった場所に位置し、以前の「紀三井寺茶所」がリニューアルされたものです。
- GOLD COFFEE
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GOLD COFFEE(ゴールドコーヒー)は、紀三井寺のふもとにある人気のハワイアンカフェです。
サイフォンで淹れる100%コナコーヒー(800円)が人気です。また、自家製マラサダ(300円)が名物で、様々なフレーバーが楽しめます。
当「となりの和歌山ブログ」でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
レストラン
- 和食さと
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和食さとは、笑顔あふれるお食事を提供する和食レストランチェーンです。和食店、テイクアウト、かつ丼屋、すき焼き/しゃぶしゃぶなど多様な料理を提供しています。
- モスバーガー
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モスバーガー紀三井寺店は営業時間は通常7:00から翌1:00までで、年中無休で営業しています。
店内は天井が高く、解放感があり明るい雰囲気です。テーブル間隔も広く、落ち着いて食事ができます。
ラーメン
- 横浜家系ラーメン 革麺家
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革麺家は地元の若者に人気で、濃厚な豚骨スープと中太麺が特徴的です。和歌山で食べられる数少ない本格的な横浜家系ラーメンのひとつです。
- 鶏そば翔ける
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鶏そば翔る(KAKERU)は、濃厚鶏白湯そばが特徴的な料理を提供しています。店舗は国体道路紀三井寺交差点北側のテナントにあり、JR紀三井寺駅から徒歩約3分の場所に位置しています。
おわりに|紀三井寺で心を癒すひとときを

紀三井寺は、歴史的な背景を持ちながらも、現代の参拝者や観光客にも優しい設備が整ったお寺です。桜の名所としてだけでなく、御朱印巡りや観光スポットとしても魅力的です。
ぜひ、訪れる際は本記事を参考にして、紀三井寺の魅力を存分に楽しんでください!
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